読んだ本
- 作者: ルドルフ・ジュリアーニ,楡井浩一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/04/26
- メディア: 単行本
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もちろんテロの時の対応についても色々書いてあるんだけど、それ以前の市政でいろいろ業績を挙げています。特に有名なのが、「達人プログラマー」にも載ってる「割れ窓理論」に基づいて軽犯罪を徹底的に取り締まり、結果的に重大な犯罪も激減したというもの。その他財政、福祉といった面でも、数々の業績がこの本の帯とか付録に列挙してあります(ちょっと鼻についてしまいますが)。
印象としては、些事徹底の哲学なのかな、と。軽犯罪の取り締まりにしても、徹底して実行するという意思が組織の末端にまで浸透していることが重要。
そのために、細かい統計を出してその変化の説明責任を厳しく問うというハードな施策と、部下を信用し守るというメッセージを送り続けるソフトな姿勢をとり続ける、というところが印象に残りました。
市長というのは決まった任期の中で、自分が育ててきたわけではない組織で成果を出していかないといけないので、ある意味企業の経営者よりも厳しい側面があるのでしょう。マスコミなんて基本的に敵だし。ドラマチックな場面の描写がときどき邪魔をしてしまいますが(そこも読み物としては心動かされる面もある)、組織にいる人間としては非常に参考になる本だと思います。