失敗戦略
久しぶりに読んだ本の感想でも書いてみっか
- 作者: 戸部良一,寺本義也,鎌田伸一,杉之尾孝生,村井友秀,野中郁次郎
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1991/08/01
- メディア: 文庫
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- 作者: 野中郁次郎,戸部良一,鎌田伸一,寺本義也,杉乃尾宜生,村井友秀
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2008/07/29
- メディア: 文庫
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でも、正直「戦略」の方は微妙。現代戦争から「逆転勝利」の事例を引いてきて分析してるけど、事例が多様すぎて教訓が一般的になりすぎている。「戦略は目的に合ってることが大事ですよ」「それをあわせていくのが偉大なリーダーですよ」ってことで終了? 「戦略の本質とは何か、10の命題」ってまとめてるけど無理やり感が否めません。事ほど左様に、勝ちきるというのは難しい(なので事例がない)ということかもしれませんな。
翻って「失敗」の方は文句なく面白い。事例を「大東亜戦争(この本での用語)における日本軍」に絞っているためか、負けに至るパターンが鮮やかに描き出されている。最近人気?の牟田口中将が活躍するインパール作戦の項では、悲惨な状況については省略されているのに震えがきましたよ、怒りで。それでいて、「組織が過剰適応して変化への適応能力がなくなる」という一般的な教訓にもつながっている。
「失敗」「戦略」を続けて読んだので、大ヒット・ロングセラーになった「失敗の本質」からさらに先を目指した著者グループの挑戦と苦悩(そして多分挫折)も読めた気がして、若干お得感あり。