読んだ本

最近更新をサボってたので書くことがいっぱいある。
ずっと積読にしてたのに最近突然読んだ本。時流に影響されて。

市場対国家―世界を作り変える歴史的攻防〈上巻〉

市場対国家―世界を作り変える歴史的攻防〈上巻〉

市場対国家―世界を作り変える歴史的攻防〈下〉

市場対国家―世界を作り変える歴史的攻防〈下〉

原題は"The Commanding Height"。経済の「管制高地」を、政府が計画によって管理するべきか、市場のメカニズムにゆだねるべきかというイデオロギー闘争の歴史を追った本。邦題だと、ちょっとイメージ違うよね。
1930年代の大恐慌の反省から、世界各国は初期の純粋な資本主義(古典的自由主義)を捨て、複合経済(資本主義と社会主義のあいの子)に移行した。これはアメリカでもそう。社会主義国は当然もっと過激に社会主義。第二次大戦後も、ソ連の成長ブームに乗っかって、西欧も途上国もこぞって社会主義の色合いを強めた。それがだんだんうまくいかなくなって、インフレ、不況、さらにはあわせ技のスタグフレーションなんてのが起こってマーガレット・"鉄の女"・サッチャーの登場と相成り、新自由主義によるイデオロギー革命が世界を席巻していく。さらには社会主義国も次々崩壊し、政府は経済の管制高地を市場に再び明け渡した。というお話。
で、おもしろいのは、この「サッチャー革命」を推し進めたのは、必ずしも元々保守系の党派ではないということ。イギリスでは労働党のブレア首相が党で大改革を断行してサッチャー路線を引き継いだし、アメリカでもクリントンはこの路線だそうで。