2008年度からSIにも進行基準、怒るCFOの真意とは | 日経 xTECH(クロステック)

これはひどい

今では検収書をもらってから売上を計上していたが、これからは毎月投入したSEコストに見合う売上を計上するようになる。
ちょっと考えただけでも、これは大変だ。プロジェクトに遅れなどの問題が生じ、大量のSEを投入した場合、そのコストに見合う売上を建てるとヘンなことになる。

そもそも顧客との商談・契約段階で、詳細な契約書や仕様書を作っておかないと進行基準の採用など不可能だ。

そもそも、って、どんな契約で仕事してるの?
適当に時期がきて、「これでおk」って言われたらお金もらえるの?

冒頭で紹介したCFOが怒っていたのは、そのことではなく、進行基準がお客との取引の実態に合わないことだ。SIで作るソフトウエアは完成しなければ“売り物”として意味をなさない。意味のある単位での分割検収ならともかく、まだ検収してもらってもいないのに、毎月売上を建てるなんていうのは不合理とのことだった。
(中略)
おっしゃること、ごもっとも。工事の進捗で形あるものが出来上がっていくビルやプラントならともかく、形が見えず完成できなければ、すべてが無になる恐れがあるのがソフト開発だ。その会計処理で、お客の了解もなく売上を建て、おそらく未請求売掛金の類で計上して、利益も出すというのは確かに不合理だと思う。いくら“利益はオピニオン”と言っても、現実のビジネス、取引実態との乖離があまりに大きすぎる。

えっ(絶句)
建設業だったら、作ってるものが完成しなくても売り物として意味があるの? 半端でもお金もらえるの? そんなことないでしょ。そんなんだったら進行基準の意味ないし。エレベーターのついてないビルでも、形になってるんだからOK? そんなバカな。
パッケージ売りでもサービス売りでもなく、そのソフトを使って展開するビジネスが儲かっても儲からなくても売上が入るSIで、なんで進捗に沿った売上を上げるのが「現実のビジネス、取引実態との乖離があまりに大きすぎる」ことになるの?
それはさ、やり遂げる自信も気合もないからでしょ。それとも、もともと博打気分なんですかね。

ところで、経営管理能力があるまともなSIerが“不合理な会計処理”を受け入れてまで上場を続ける意味があるのか。まあM&Aをしないならば、上場している必要はあまりないだろう。

株式市場からもそうだけど、SI市場からも撤退することをお勧めします。