祝日本一
すげー今更ですが、面白かったですね、日本シリーズ。
日経情報ストラテジーの最新号でも特集されていますが、埼玉西武ライオンズ(今年からこういう名前になったんです)は、不祥事もあって「客が呼べない」という危機感を球団が強く持っていたようです。
http://www.itproexpo.jp/article/JIREI/20081117/319386/
それが、球団運営をひとつの会社に集め、監督を交代して一年目で日本一、しかもなんつーか客が呼べる面白い試合。投手陣がそこそこ抑えていれば、終盤に下位打線でもおかわりボカチ細川ムランが出るかもしれないし上位に回れば片栗が足でなんとかしてくれるかもしれない、逆転すればグラマンがいるし、最後まで期待して見続けられます。俺達さえ炎上しなければ。
で、日本シリーズの興奮を思い出しつつ渡辺監督の
- 作者: 渡辺久信
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/11/11
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タイトルから「部下は叱らずに褒めて育てる!」って感じの内容を想像しますが、ちょっと違う。
実際、二軍監督時代に涌井を引きずりまわして怒ったエピソードも載っています。社会人としての常識を教えるためには厳しく接することも必要だと。
「寛容」というのは、ミスを責めないこと。結果論でものを言わないこと。
この本の中に、三盗した片岡が牽制で刺されたのを責めず盗塁を褒めた、というエピソードが出てきます。日本シリーズ初戦の初回にも、ヒットで出塁した先頭打者片岡がいきなり上原に刺されたシーンがありましたが、その後も片岡はガンガン走ってシリーズ5盗塁。最終戦でも、三塁から内野ゴロで中途半端に飛び出して挟殺された後、同様のシーンで思い切り突っ込んで同点のホームをゲットしました。渡辺監督の方針が、失敗しても次に果敢にチャレンジする片岡の走塁を生んだのかもしれません。
渡辺監督は、「勝てる野球」よりも「客を呼べる野球」を目指していたようですね。これは会社の方針とも一致してます。客を呼べる野球が、結果として勝つチームにつながったというのも面白い。確かにホームランに機動力
他にも台湾でのコーチ修行時代のエピソードや選手の性格についての話など、非常に楽しく読ませていただきました。日本シリーズ見た人はぜひ。
ぜひ来シーズンも見て面白い野球を追及していただきたい。来シーズンは大沼と小野寺が三振の山を築くのをちょっと不安な面持ちで見守りたい。
長文になってすみませんが、ちょっと渡辺監督置いておきますね。
before
after
知的創造のヒント、思考の整理学
- 作者: 外山滋比古
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思いついたことをなんでも手帳に記録して、そこからノート→メタノートへと転記していくことでアイデアを時の試練にさらしていく。記録することで、忘れることができる=「寝させる」ことができる。
「朝飯前」が一番思考が働くから朝飯を食わなければいいっていうのも逆に新鮮。
- 作者: 外山滋比古
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
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思いついたことをメモする習慣を忘れていたのですが、また復活させてみます。
会議が「詰問会」になってきたら
会議をしていると、上司が部下を責めたてる「詰問会」になってしまうことがままありますね。しかしこれは生産性が低い。部下が「私が悪かったです。反省しています」と言っても、実際に何かが変わることはほとんどない。参加者もみんなしらけた雰囲気になって終わり。
しかし一方では、現状の何かを変えるために会議をしていることが多いので、できるだけ現状を明らかにして変えたいというのも事実。そこで、現状認識や原因究明をしているつもりが、ついつい問い詰めてしまう。この人の考え方を直接変えれば成果が出る、改善すると約束させれば変化できると思ってしまうけど、そんなことは無理なんですね。わかっていてもやってしまうのは上司という立場にある人の焦りで、それも仕方のないことなんだと思います。でもお互い不幸だし、そんなことに時間を使ってるとそもそも仕事がうまくいかない。
自分の参加してる会議でそういうことが勃発したときに、試していることが二つあります。
- 具体例を聞く。「最近その失敗をしたのはいつですか? どういう状況で?」と聞いていくと雰囲気が変わることがあります。ホワイトボードに登場人物ややりとりなんかを書いていくともっといいですね。
- 話題を戻す。 詰問会モードになる前の話題について、「さっきの話に戻っていいですか?」と堂々と聞く。新しい話題に変えるよりも抵抗が少ないです。たいていの場合、詰問を始めたほうもこのままでは会議の成果が出ないとどこかでわかっているので、黙って話題変更に付き合ってくれます。
多くの場合、具体的な事例の話をしているときに「いつも君は・・・」とか一般化して詰問会が始まることが多いので、具体例の話に戻すのが楽でいいと思っています。
詰問している人に対して、「そんなこと言っても仕方ないでしょう」といさめたりするのは逆効果になることがおおいですね。その人も悪気があってやっているわけではないし。
時々、「お前は黙ってろ!」と怒鳴られたり、こちらの努力を無視して大声で詰問が続いたりすることがあるのですが、そういう時は黙って時間の経つのを待つしかないっぽいですね。
二人称「自分」
ニッカボッカのお兄ちゃんが福山雅治に「自分、不器用だな」と呼びかけているテレビCMあるじゃないですか。「関西弁でもないのにそれはねーだろ」とか思っていたのですが、
関西地方では,なぜ「自分」が二人称になるのでしょうか?「問われ... - Yahoo!知恵袋
ということだそうで...
ということは、このCMをきっかけに二人称としての「自分」が標準語化する可能性もありそうですね。ちょっといやな感じはするけど。僕は関西弁の人に「自分なあ」とか呼びかけられるとちょっとイラっとします。上のYahoo知恵ぶくらーさんが例にあげてる「てめえ」「おのれ」「われ」どれもあんまり上品な言葉じゃないし。
ひょっとしたら、一人称が二人称に転化するのは、もともと親近感の表現だったのかもしれない。あるいは説教用語かな? どっちでもいいけど、二人称自分の標準語化には断固反対。
決断の本質 - 意思決定のプロセスを計画し、コントロールする
決断の本質 プロセス志向の意思決定マネジメント (ウォートン経営戦略シリーズ)
- 作者: マイケル・A・ロベルト,スカイライトコンサルティング
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といった事例を題材として論じる。
以下気になった点のメモ
- 率直な意見交換を促す
- 認知が硬直すると難しい
- 組織を優柔不断にする文化を打破する
- プロセスが「公正で」「見せ掛けでない」ことがわかるように
- 対立とコンセンサスは矛盾しない
- 大きな意思決定の途中で、小さな合意形成を繰り返す
- 合意したことを後から蒸し返すことは許さない
- 最大の武器は信頼(信頼される人物であること)
- 自制心をもって導くこと
いろいろなフレームワークやテクニック紹介されているけど、一貫して「リーダーが意思決定の中で果たすべき役割」について述べているので、ひとつのリーダー像論としても面白い。
最終的に「信頼」「自制」というところにポイントが当たるのも好感が持てます。そらそうだ、と。
ザ・チョイス
- 作者: エリヤフ・ゴールドラット,岸良裕司,三本木亮
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
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ザ・ゴール 2 ― 思考プロセスでも「考え方」にフォーカスがあたっていたけど、さらにその背景にある思考哲学が開陳されています。
曰く、
ものごとは、そもそもシンプルである
だから、複雑なように見える現実も、その背後にあるシンプルさを見出すことができる。
どのような関係にも、調和がありうる
だから、どんなに立場が矛盾・対立しているように見えても、妥協ではなく解決することができる。
人は、もともと善良である
だから、事態が改善しないのは誰かのせいではなくて、自分が何かを理解していないから。それを理解すれば、解決できる。
私もシンプルに事態をつかむ努力はしているつもり。だけど、立場の違いを超えて調和を見つけるような努力はしていないし、人のせいにする努力はむしろ積極的にしてるような気がする。もっとシンプルに捕らえられるようになりたい。それには愚痴、不平不満を言わないことだな。不平不満が沸いてきたときに書き留めてシンプルに捉えて解決する訓練をしよう。
Focus reboot
http://motivatethyself.com/2008/11/18/minimize-your-focus-reboots/
focus rebootか。うまいことおっしゃいますね。
私も以前はスケジュール表に「会議」とか入れて会議室を独占したりしてました。オープンな日本企業のフロアで働いている人には有効なんではないでしょうか。周囲に変な目で見られることもありますが、しょっちゅうやっていると「いつものアレか...」という感じで認知されて気楽になります。
最近やっている仕事は運用系で、早く連絡がつくことにも価値があると思っているので、そういうことはやらないようになりましたが。